【続】肩こりの原因を徹底解明
― 肩こり③:骨格の異常に潜む“見えない要因” ―
これまでの【肩こり①】では「肩こりの正体」について、【肩こり②】では「肩こりの主な原因」についてご紹介してきました。
しかし、肩こりの原因はそれだけではありません。今回は、見落とされがちな骨格由来の肩こりに焦点を当ててご説明します。
首の骨(頸椎)の異常が引き起こす肩こり
前回も触れたように、「悪い姿勢」は肩こりの代表的な原因のひとつです。
その中でも特に深刻なのが、頸椎(けいつい)と呼ばれる首の骨に生じる異常です。
人間の頭はスイカほどの重さ、約5〜6kgもあると言われています。
その重みを日常的に支えているのが、首の筋肉と7つの小さな骨で構成される頸椎です。
しかし、首は非常に繊細な部位であり、内部には動脈・静脈・神経・気道・食道など、重要な器官が集中しています。
それにもかかわらず、現代人は長時間のスマートフォン操作やパソコン作業などによって、無意識に首や肩を前に突き出した姿勢をとりがちです。
このような姿勢が続くと、首の筋肉に慢性的な負荷がかかり、筋疲労や炎症が蓄積されることで、やがて頸椎の変形やズレが生じることがあります。
代表的な例が、「変形性頸椎症(へんけいせいけいついしょう)」です。
このような状態になると、頸椎から出ている神経に圧迫や刺激が加わり、それが肩や背中に“関連痛”として放散されることで、頑固な肩こりが引き起こされるのです。
骨格がもたらす肩こりは、放置厳禁
骨格の異常による肩こりは、単なる筋肉疲労では解消されにくく、進行するとしびれや頭痛、手の感覚異常などを伴うこともあります。
肩こりが慢性化している、施術を受けてもすぐに戻る、痛みが広がってきた――そうした場合は、単なる疲れではなく、骨格や神経の問題が背景にある可能性も考慮する必要があります。

血圧異常が引き起こす肩こり
肩こりの原因は筋肉や姿勢だけにとどまりません。
実は、**高血圧や低血圧といった「血圧の異常」**が、肩こりに深く関わっているケースも少なくないのです。
高血圧・低血圧の多くは、明確な原因が特定できない「本態性(ほんたいせい)」のものとされています。
(※本態性とは、症状はあるがその原因がはっきりとわかっていない状態を指します)
高血圧の場合、そのまま放置してしまうと動脈硬化を進行させ、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まることが知られています。
一方、低血圧は比較的体力の低い方や、冷えやすい・疲れやすいといった「虚弱体質」に見られることが多く、めまいや立ちくらみ、慢性的な倦怠感などの症状を伴うことがあります。
このような血圧異常を抱えている方の多くが、肩こり・頭痛・めまいといった不調を訴える傾向があります。
その理由の一つに、「脳圧の調整機能の乱れ」が挙げられます。
脳内圧(脳圧)が上下に変動すると、結果として血流やリンパの循環が悪化し、首・肩まわりの緊張や重だるさとして現れるのです。
その他にもある、見逃せない肩こりの原因
肩こりの原因には、意外なものも多数存在します。以下に主なものを挙げます。
下着や衣服による締めつけ
特にブラジャーや補正下着などの圧迫が、肩の筋緊張を引き起こすことがあります。肩関節の炎症(四十肩・五十肩など)
肩関節周囲炎により、肩の可動域が制限され筋肉に負担がかかります。神経や血管の障害(胸郭出口症候群など)
首から肩にかけて通る神経や血管が圧迫され、しびれや痛み、こりを引き起こします。内臓からの関連痛
むち打ち症、関節リウマチ、貧血など、身体の別の部位の不調が肩に反映されることもあります。更年期障害による自律神経の乱れ
ホルモンバランスの変化により、血流や筋緊張が不安定になり、肩こりを感じやすくなります。内臓疾患に関連する肩こり
狭心症・心筋梗塞・胆石症・胸膜炎・食道炎・肺炎・その他呼吸器疾患など、命に関わる重大な疾患の前兆として肩こりが現れることもあります。
肩こり=“軽い不調”と侮らず、正しい判断を
特に、上記6番のような内臓疾患が関係している肩こりは、放置すると命にかかわることもあります。
「なかなか良くならない」「いつもと違う痛みや症状を感じる」「肩こりに加えて息苦しさや胸の違和感がある」といった場合は、早めに内科を受診し、血液検査などの検査を受けることをおすすめしています。
院長 おおしま
参考画像
※http://www.painreliefteam.com/do-you-suffer-from-bad-posture/
※http://arthritis-hyalutidin.com/spondyloarthritis.html